ブーメランで馬脚の中国独裁体勢
本件記事にあるように、全人代の直前の報道官の記者会見だ。
これは、自ら中国当局が中国の立場について馬脚を現したものと捉えていい。
記事の内容から窺える点は興味深い。
当局が選ぶ言葉そのものが中国政府の嘘を含んでしまっているからだ。
・中国は新型コロナウイルスの感染を拡大させた自覚がある。
※ 反射的に賠償請求を拒否しているところに中国政府の後ろめたさを隠せない。
・中国を非難する米国の法案は「根拠がある」と警戒している。
※ よってそれは国際司法裁判所などで争うことができない。
・中国は国際法や国際関係の原則を無視する。
※ 国際法が自らに不利になるとなれば無視することも辞さない。世界に対する信頼の維持など毛頭関係がないのだ。
・中国は自国の問題を隠すために責任を転嫁する。
※ WHOを習近平の権威高揚のために使ったことやWHOに働きかけてパンデミック宣言を遅らせたことなど、責任は明白だが、今後も転嫁されてゆく。新型コロナがアメリカ発というデマすら平然と宣伝している事実。
・中国はモラルを無視する。
※ 中国には今後もモラルなど期待できない。
・中国は新型コロナの打撃を受け、中国からは「大規模な」外国資本の逃避が起きている。
※ 隠された統計や海外資本の動きがあることは確実だ。わざわざ大規模ということに限定している以上、逃避はすでに起きていると考えていい。
・外国投資を呼び寄せてきた中国への投資には疑義が生じており、長期的な事業活動と中国の成長に対する信頼は揺らいでいる。
※ 中国に投資する者はいなくなる。ハードランディングを避けながらフェードアウトする戦略を海外資本はとるはずだ。ハシゴを外されないようにしてゆくしかない。
中国に対する「包囲網」は、中国を締め上げる形はとらないだろう。
中国はやはり同様の自由主義国には看過できない独裁国や専制主義の国と手を結び、自国の経済圏を維持しようとする。
偽善に溢れた西側はそれを嘆いてみせるだろうが、それ以上のことはしない。
そこで中国は哀れなババ抜きを続けてゆくというだけだ。
自由世界各国ははフェードアウトし、中国を切り離してゆくことになる。
これは受け入れがたい体制を隔離してゆく方向を意味する。
廃炉が決まった原発のように、ゆっくりとタブー化してゆくとちいうこと。
それを「グローバリズムの終焉」と嘆く連中もいるかもしれないが、無責任な評論家風情のたわごとでしかない。
これまでどれだけ中国のプレゼンスがリスクになってきたのか、その悪意に満ちた覇権主義は秩序を破壊させてきた。
以上のことを考えれば、中国何も変わることはない。
今後は例えばアメリカがTPPに参画することも想定できる。
アメリカでは民主党ペロシが、トランプの行っている中国に対する制裁措置を見直すと早くも表明しているから、アメリカ人が馬鹿でなければトランプの再選は揺るがないだろう。