ウクライナ侵攻は必然だった
もともと、ウクライナなんて国など強盗同然の無法国家だった。
かつてはロシアのガスパイプラインからウクライナが政府ぐるみで「中抜き」をしているとの非難があり、ロシアから調査団が入ったぐらいだ。
契約を反故にし、こそ泥のようなことをする無法国家だ。マフィアも多い。
ガスパイプラインの事件は西側も認めた事実だった。
それから突然のアメリカの工作によるクーデターでウクライナは親米政権となった。クリミアが併合されたのもこの時だ。
ドネツクなど東部地域では内戦状態になった。
しかしウクライナは、なおも行動を起こす。
NATO加盟を目標とすることによってロシアとアメリカの綱引きをわざわざ惹起させ、その駆け引きの狭間の中で利益を得ようとした。
ウクライナはそんな国家だ。
それが今回のプーチンの侵攻の決断につながっている。
ウクライナでの工作活動が看過された。
イエメンやベンガジ、トリポリ、ヒラリーが無能にも放置した挙句に大使館や公館が襲撃された事件が相次いだ。
この事件が取り沙汰され、オバマと国防長官であったヒラリーには責任追及の目が向けられた。彼らが政治的に追い詰められた頃だ。
これに対し、工作当局はウクライナでの工作で挽回を画策した。
オバマもヒラリーもこれを止めなかった。
結局、過剰なCIAの対外工作を容認してしまい、西側の傀儡とも言える政権がウクライナに誕生してしまう。
それはあからさまなほどの工作と結果に見えた。
口先だけのオバマは官僚たちの言い訳を代弁することしかしなかった。
彼は無能だ。
そうしてウクライナに親欧政権の誕生となると、ロシアは当然、ロシア系住民を守る必要が出てくる。
ロシアはこれまでの軍事バランスの維持を目指し、テーブルをひっくり返されることを警戒した。クリミアの軍港の維持も必要になった。
その結果がクリミアの併合だった。
これまでの結果はアメリカの自業自得に思える。
そうして、ことはしばらく収まったかに思えた。
ドイツはノルドストロームでロシアからガスを買い入れ、脱原発と排出炭酸ガス削減の計画を進めていた。
そこに突然、「ウクライナで衝突の懸念が生じている」と喧伝されたのは周知の通り。
ロシアの軍備、演習などを取り沙汰し、アメリカはロシアによるウクライナ侵攻が近いうちにあると断言した。
民主党とバイデン大統領は、コロナ対応がひと段落するや次の政治アピールに使うためにウクライナ危機を煽ったのだった。
奇妙なことに当事者のロシアが侵攻計画を繰り返し否定しながらも、もうすぐロシアがウクライナに侵攻するという観測が形成されていった。
そのための軍備増強がウクライナで進められた。
ウクライナは、NATO未加盟でも事実上の加盟国であるかのように振る舞い、ウクライナは西側に支援を要請し武器の供与を求めた。
ウクライナは親ロシア地域のドネツクに攻撃をしかけたり軍事演習を繰り返した。
隣国ではない。ウクライナ国内でのことだ。
ロシアは身構えた。
いったい誰がこんな刺激的な材料を最初に持ち込んだのだろう。
それはきっとウクライナ自身だろう。
こう着状態にしびれを切らし、自国の利益、カネのために武力衝突をネタにし、ロシアとアメリカの双方に揺さぶりをかけたのだ。
プーチンの危機感は募っていったに違いない。
そしてロシア侵攻のカウントダウン。
アメリカは「ロシアは自作自演でウクライナでロシア住民が殺戮されたとやるらしい。それをもってウクライナ侵攻の口実にするつもりだ。」なんてやった。
それはアメリカからのおぞましいメッセージだった。
アメリカが工作活動によってロシア系住民を虐殺するかも知れないというメッセージでもあったからだ。
あらかじめ先に言っておけば自分がやったことではないというわけだ。
確かに昔から歴史上、こういう工作は何度も繰り返されてきた。日本帝国の盧溝橋事件、ヒットラーの時代、いくらでも似たようなことはあった。
しかし今はどうなのか。
それこそ、こうした工作はアメリカがやってきたことではなかったか。
何かかつてのアメリカの工作活動の言い訳にさえ聞こえ太。そんな話がメディアを流れた。
ロシア側は早速これを「途方もない空想だ」と否定したがますます警戒感を掻き立てられたことは間違いない。
逆にアメリカは本当にやりかねないと思ったことだろう。
結局、アメリカは首尾よくロシアのクリミア侵攻を誘い出したことになる。
今、アメリカでは嫌ロシアが盛り上がり、バイデンの政治ショーは成功しているかに見える。
どうやら金融当局もこの危機に乗じようとしているようだ。
インフレ期待、利上げの後押しにするつもりのようだ。
バイデンの頭の中は別としても(笑)、どうやらこれがアメリカ政府当局の一番の目標に思える。
FRBはウクライナ危機で生じる原油価格の上昇について言及しているし、テーパリングの旗は降ろしてはいない。
むしろ引き締めはほぼ確実とさえなっている。インフレ対策の名目でだ。
これは金融政策の正常化というFRBの悲願でもある。
アメリカはメリットなしには動かない。
しかし国際経済の実体としてはそれは中国の問題を片付けねばその実現はないだろう。
中国が全ての経済を飲み込むブラックホールであることには変わりないからだ。
しかしともかく、アメリカは金融政策変更の言い訳にはウクライナ問題を利用するつもりのようだ。
これをキッカケに都合の良い方向に進めようとしているのだ。
だからこのロシアの侵攻の先も、ウクライナ危機を主導してゆくのはアメリカということになる。
アメリカにはその動機があまりに多い。
緊張が高まり、「パニック的な対応」とまでゼレンスキー大統領は西側にクギを射したこともあった。
ウクライナのロシアへの好戦的な態度はやはりカネのためだったことが分かる。
どうやらエスカレートする事態に元コメディアンは怖くなってしまったのだろう。
ロシアが侵攻した今、彼は「自分が標的だ」などと泣き言を言い始めた。
ここで問題となるのはロシアだ。
ロシアにはこのまま坂を転げ落ちるような状況のまま動かされ、何らかの利益があるだろうか。長期戦となればロシア側の消耗は激しくなる。
プーチンの対応は防戦一方だ。
状況に対応することしかできていない。
ひとまずウクライナの軍を壊滅させ、無力化させることが目標となるだろう。
アメリカも西側も手は出してこない。
民間人の死者が少なければこれはあくまで軍事ショーだ。
一方、この危機を利用してロシアはなんらかの政策的な目的が達成できるだろうか。
それはほとんどない。
ウクライナが地政学的に重要だとしても、NATOにウクライナが加盟しなければいいとさえロシアは言っていたほどだ。
アメリカは奇妙なことにこの要求をかたくなに拒み続けた。
アメリカにとってはロシアの侵攻こそ期待していたことだったからだ。
つまり地政学的にも実はあまりウクライナはロシアにとって重要ではないかも知れないのだ。
ロシアはクリミアをすでに併合しているからだ。
それにしても、なぜNATOがここまで一方的に旧東側圏に勢力を拡大させてきたのか、まともに答えられる者はいまい。
緊張を作り出してカネを狙っているのは誰なのだ。
そして、とうとうロシアはウクライナに侵攻せざるを得なくなった。
世界中がロシアを非難し、まるで組織されたように各地でデモが起きた。これからもロシアへの抗議は大きくなることだろう。それもバイデンの期待したことに違いない。
日本でも楽天のような怪しげなところが「ウクライナ支援」などと公言している。
これは驚く話だ。誰が悪で誰が侵略者など分かったものではないからだ。
三木谷は「民主主義への挑戦だ」とまで言っているが、どこまでこれまでの状況を把握しているのだろう。
ウクライナでまともな民主主義が行われているとはとんと聞かない。
ビジネスが国際紛争に口を出す、まるで「政商」気取りではないか。カネの臭いがするのだろう。
カネに群がるように声を上げているのは呆れた話だ。
とんだ茶番なのだ。
しかしNATO軍は反撃も軍事支援も明言していない。
アメリカとてバイデンはアメリカ兵を一人でも犠牲にすれば中間選挙など消し飛んでしまうことは承知だ。
どこからもウクライナへの軍事支援はない。
プーチンは限定的に軍のみを攻撃するだろう。そうなれば悲劇ではない。
しかし、逆説的ではあるがこれは真正の危機かも知れない。
無能なバイデンは先が読めない。
これまで穏健だったフランスが手のひら返しをしてきたように、西側が成り行き任せのまま考えもなしにコトを進めているからだ。
これまでよりも警戒すべき事態だとは言える。
たいしたことでないのに騒ぎが大きくなってゆけば必然的にまたそうなる。
止める指導者はいない。
そしてこのことは中国に融和的なバイデンにとっては視線逸らしにもなる。
アメリカ民主党にはウィグル問題などどうでもいい。中国で起きている虐殺、ジェノサイドなどどうでもいいのだ。
その証拠に最初に「外交ボイコット」なる北京オリンピックへの甘い措置を最初に表明し、それを主流な措置としたのはアメリカなのだ。
政府要人が北京オリンピックに行かないぐらいでどんなダメージになったというのか。
アメリカ民主党は虐殺者である皇帝習近平を支えるつもりのようだ。
北京オリンピックへの選手団派遣の中止、それでよかったではないか。カネ目当てで踊るオリンピック選手などどうでもよかった。
かつてのモスクワ五輪ではボイコットを行った。
中国が人権に関わる共通の価値観に抵触したというのなら、選手団の派遣すら敢然と中止すべきだった。
それはなかった。
汚れた五輪で、オリンピックに参加したスポーツ馬鹿どもは踊り、習近平という専制君主の前にかしづいて踊った。
恥知らずなトリプルアクセルというわけだ。
それはともかく、結局、アメリカ民主党などはクチでは人権やリベラルなどといいつつも、実はどうでもいいということだ。
ロシア敵視政策で中間選挙を勝利しようとバイデンは目論んでいる。
ナンシー・ペロシを筆頭にあの連中の独裁と専横は目に余る。それこそ民主主義の危機、衆愚政治だ。
トランプを今も追い込もうと、執拗に追及するそのやり方を見てもあまりに露骨だ。
マスコミを使ってどこまでやるのか、そのどこが民主主義なのか。まさに神経を疑うばかり。
その挙句にロシアのウクライナ侵攻さえ誘ったのだ。
マスコミに操られる大衆、そしてトランプへの執拗な悪役化と攻撃、ヘイト。どこが民主主義なのか呆れて話にならない。
今、アメリカは確かに分断されている。
笑い話でしかない。
希望的観測をすれば、ウクライナ侵攻は決して小さなことではないが、収束は早いように思える。
ウクライナを軍事的に無力化させるだけでいい。
「刀狩り」だ。
ウクライナ危機の煽りは単純な煽りに過ぎなかったが、今回のロシアによる侵攻と軍施設への攻撃によってエスカレートは頂点に達した。
ロシア側も、ウクライナ危機を利用してプーチン政権の基盤をまた強固にしたいと考えるのかも知れないが、それはたいしたメリットではない。
それがエスカレートしてしまったのが現在の状況だ。
ロシア側の得られる利益は少ない。
一方のアメリカ側には多くのメリットがある。
このバランスの悪さはまさしく危機を内包しているとは言える。
このまま長期化する危険を孕んでいるとしたらそれが理由そのものだが、大衆が反ロシアに誘導されているうちは何も起きないだろう。
アメリカが次の手を打つ必要はない。