毎日の社会で起きたこと

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【継続寄稿】さらばグレタ、お前は用済みだ

 

グレタ・トゥーンベリ。

 かつて、ひとりの少女が突然に世界のひのき舞台に躍り出た。

 彼女は裕福な家庭の出身ではあったが、地球温暖化を憂慮する若者の代表として振舞った。

 世界の大人たちはその好戦的で邪悪な表情と攻撃的な態度に目を見張ったものだ。

 

 驚くほど環境問題で先鋭化した少女は世界中を飛び回り、地球温暖化に警鐘を鳴らすという筋立てでいくつものワンマンショーを演じた。

 今やそれがすっかり黙って鳴りを潜めている。

 ウクライナへのロシア侵攻からすっかり黙り込んでいる。

 いったい彼女はどこへ消えたのか。


 もはや西側では地球温暖化など少しも気にかけなくなったのだ。

 西側はウクライナに紛争を焚き付け、ロシアを撃退することを金科玉条として戦争に熱中しているからだ。

 ドイツは石炭を燃やし火力発電のペースを急ピッチで上げている。

 ノードストローム2計画が頓挫し、稼働中のノードストロームもカナダがロシアへの制裁を理由して交換部品を返却してこない。ガス供給は三分の一になった。

 まるで西側は自分で破滅を呼び込んでいるかのようだ。

 そうしてユーロ中が石炭に回帰し火力発電所を再稼動させようとしている。

 二酸化炭素が大量排出され、再び地球環境問題以前に退行しようとしている事態となっている。

 ここで、彼女がもし伝えられてきたほどの若者世代のオピニオンリーダーだというならどうなのだろうか。

 かつてはグレタの呼びかけでデモさえ起きた。

 もし彼女が地球温暖化、地球環境問題の活動家だとしたらこの無意味な戦争に黙っている手はないはずなのだ。

 だがそれはない。

 グレタは出てこない。

 

 もちろん、ウクライナ紛争でのミサイルの使用は地球温暖化を加速する要因となる。

 何万発、何十万発という大量のミサイルがウクライナの暴力政府の無力化のために打ち込まれている。

 そして反対に西側からは玩具のように供与された西側のハイマースなどの近代兵器がロシア軍に応戦する。

 ウクライナの広大な牧草地は穴だらけだ。

 

 ロシアとプーチンにとってはナチズムの排除は人類にとっての目標に他ならないのだが、西側にとって地球環境はそうではなかったらしい。

 「崇高な目的のために」と、プーチンは作戦を遂行しているが、西側と言えば、ウクライナ政府の犯罪性にはもはや答えようとはしない。

 事実は隠蔽され捏造され、メディアによってロシアを悪しざまに言う言説ばかりが流される。

 そうして、西側はこれまでの問題意識をかなぐり捨てたように石化燃料へと突き進んでいる。

 この地球環境に対する態度についての西側の首尾一貫性のなさや矛盾は、ナチのような行動を続けるウクライナ政府を「自由と民主主義の代表だ」などと詐称するのと同じ性質のものだ。

 ご都合主義的で欺瞞的だ。

 

 

 彼らには実は民主主義も地球環境もどうでもいい。

 西側がしたいのは言いだしっぺでありたいということ、脱化石燃料地球温暖化対策を呼びかけるリーダーでありたいということに過ぎない。

 世界を代表するイデオローグであることが彼らの存在を高め、その地位を高めてくれるからだ。

 だからフランスのようにアフリカでの植民地主義的な態度は許される。フランスは植民地税を取り立てし続ける。

 なぜなら彼らは他のどの諸国よりも優れていて理性的だからだ。

 白人だからだ。

 他の品格の劣る国々は従わねばならない。

 西側のリーダーが問題だと言えばそれはメディアによって世界中に拡散され、間違いのないイデオロギーとなってきた。

 そうして彼らは優位を保とうとしてきた。

 地球環境問題にしてもそうだった。

 

 トランプ大統領はかねてよりその根拠のいかがわしさに眉をひそめ、根拠が薄弱でありながらあまりに一方的な地球環境問題というテーゼに疑念を深めていた。

 それが米国の経済発展の障害となっていることを重視したトランプはとうとう2019年、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を国連に正式通告する。

 トランプは一方的なイデオロギーに国家が振り回されるのを拒否したのだ。

 しかしトランプは大統領の職を引き摺り下ろされ、西側の偽善を実行する民主党のバイデンが大統領になった。

 彼は手のひら返しのようにしてトランプのやったパリ協定からの離脱を撤回した。

 ひとつの国家がここまで軽々しく撤回したことは禍根を残したことだろう。

 政策の継続性に疑いがかけられるようになったからだ。

 それは独裁国と同じである。独裁者が倒れれば朝令暮改、今度はまたひっくり返る。

 そうした一方ではパリ協定の胡散臭さについてはウヤムヤになったままだ。研究者の中には地球は氷河期に入ったという指摘をする者さえいる。

 今、ウクライナ紛争となって、今度は西側のイデオロギーウクライナを民主主義と欺瞞することで問題が地球環境問題からスリ代わった。

 野党の活動を禁止し野党政治家を拘束し、メディアを統制しロシア語を禁じ、ロシア本を焚書する。

 そんなウクライナに実は民主主義など存在しなくとも、地球環境のためにはロシアのガスを買わねばならないとしても、もうそれはどうでもいいことなのだ。

 それでエネルギー価格が高騰しインフレが高進し、大衆が困ろうが凍えようが知ったことではない。

 決めるのは選ばれた、大衆より上の指導者層というわけだ。

 

 もちろん、その大義名分はウクライナ侵攻を受けてロシアを経済制裁しているからということになる。

 ロシアからのガスの輸入を制限することでクリーンエネルギーは手が届かなくなってしまった。

 西側はこれをロシアのせいにしているが、自業自得で本末転倒な話でしかない。

 バイデンなどは米国のインフレをウクライナ侵攻のロシアのせいにする始末だ。

 

 ウクライナ紛争をしかけたのはNATOの拡張政策であり、傀儡ゼレンスキーだったのだ。

 しかも西側はウクライナで起きている紛争に対して西側は一方的な制裁を課しているに過ぎない。それはひとりよがりであまりに勝手なものだ。

 それはまるでハンガーストライキのようなものだ。

 結局、困るのは自分なのだから。

 それは思慮もなしに行われ、自分で自分の首を絞め、西側の市民たちは苦しむ。

 まるでそれは自傷行為のようなものだ。

 しかし傷つくのは無力な市民だけ、西側の政治屋や官僚、富裕層は安泰というわけだ。

 

 

 西側はロシアが問題にしたウクライナ政府の問題を調べようともしなかった。

 いや、ウクライナ侵攻以前には西側はウクライナの人権侵害や虐殺行為を問題にしていたものだ。

 それが報道として残ってはいても、今はなかったこととして西側マスコミはこうしたウクライナ政府の非道とナチズムを無視している。

 

 そして、NATOの拡大策がこういうことにつながることにしても、多かれ少なかれグレタは知っていたはずだ。

 なにしろ多くの知見がある「若き専門家」なのだからw。

 しかもグレタはスウェーデン人だ。

 スウェーデンフィンランドは突然にNATOへの加盟を宣言し、これまでの中立政策の方針を転換させている。

 これが新たな緊張の火種になることは間違いない。

 ロシアには自分を守る権利がある。

 

 結局、これはただ西側がロシアを痛めつけようとして自分たちに不利益が返ってきているというに過ぎない。

 因果応報に過ぎないのだ。

 経済制裁での対抗などあまりに無能で考えもない愚策だったが、紛争をやめさせるどころか群集心理を煽って西側には止めるつもりもさらさらない。

 結論は誰もロシアからガスを買うなということだ。

 その代わりに石炭を燃やし、温室効果ガスを大量に放出すればよいのだ、と。

 地球環境への認識はなぜこうもいとも簡単にひっくり返ってしまったのか。

 グレタは答えることはない。

 

 

 

 こんなご都合主義的で首尾一貫しない姿勢にグレタはなぜ黙っているのか。

 それは彼女が担がれた単に操り人形だったからに他ならない。

 地球環境によくないから飛行機が嫌いだと彼女は言い、国連でのシンポジウムで発言する機会を得られると彼女はヨットでニューヨークへと向かったものだった。

 大人たちに若者の未来を切々と訴え、彼女は地球環境のためのジャンヌダルクとして担がれたものだ。

 だが、なぜ何の立場も役職も、ましてや資格すらない研究者でもないグレタが地球環境問題について国連でスピーチすることになったのか。

 当時は同時期に国連で開催されていたウィグル問題のシンポジウムにぶつけて視線逸らしをしよう、そんな意図があるはずだと憶測されたものだった。

 それはあながち間違いではなかった。

 グレタと中国がつながっているというならソロスともつながっていることになるからだ。

 

 グレタが担がれた意図とは、西側による西側主導のプロパンガンダを広めるということに他ならなかった。グレタの担当は地球温暖化対策だ。

 それは我が国にも押し付けられた。

 地球環境に疑いをさしはさむことは許されなくなった。

 そうして例えばアフリカでは太陽光発電の技術が自国になければ西側から買うことが強要されることになる。

 これを一部の人々は「西側独裁のエセグローバリズム」と呼ぶ。

 「グローバリズム」とは、世界がつながっていて相互に関係があるなどというものではない。

 実は「グローバリズム」とは世界の潮流を西側が支配し、世界をリードするのが西側だという言説に他ならない。

 ジョージ・ソロスもそのおぞましいイデオロギーを掲げる連中の一人だ。

 

 トランプをグレタは挑発し攻撃したものだし、プーチンが「こんな少女を大人たちが玩具にしているのは悲劇だ」などと慨嘆した発言にもグレタは噛み付いたものだ。

 トランプにプーチン。どちらも実直な政治家だ。

 だから嘘つきの詐欺師オバマではなかった。陰謀の影をチラつかせるナンシーペロシではなく、貴族気取りの官僚フォン・デア・ライエンでもなかった。

 実に不思議で皮肉な一致ではないか。

 グレタは西側の指導層が主導したいことを扇動し、地球環境のためとして様々な規制を後押ししようとしていたに過ぎない。

 それはさまざまな国際規制、さまざまなルールが西側主導で作り上げられ、西側が選民よろしく都合よく適用するもののことだ。

 そのために、その宣伝のため担がれた地球環境問題担当のスポークスマンがグレタだったということだ。

 そうこうしているうちにウクライナ紛争というまた別な局面となった。

 ロシアによる侵攻だ。ロシアを叩き潰せ。

 こうなればグレタなどいらない。

 必要もない。 もはや地球環境問題など用無しなのだ。

 

 

 

 もうグレタがあの歪んだ笑いで我々を皮肉なコメディで楽しませてくれることはない。

 グレタにはジョージ・ソロスからの資金援助があったと噂されている。

 彼女が自分のイメージを作り上げ、メディアからの注目を浴びていたあの時の状況はまさに今のゼレンスキーとかぶるものだ。

 ソロスは言うまでもなく西側主導の経済を進めようとするダボス会議のメンバーだ。

 「西側独裁のエセグローバリズム」を進めようと考える人間だ。

 一介の、ろくに勉強もしていないような子供に地球環境のために国連で演説させるなんてそもそもヤラセもいいところだった。

 その糸を引いていた黒幕がソロスだというなら納得させられる話だ。

 ソロスはロシア叩きでも大いにコミットしている。そのことは分かりやす過ぎるほどのつながりを示す。

 

 ソロスは先のダボス会議で言ったものだ。いわく、「ロシアは我々の文明を破壊する」と。

 「我々の文明」とは何か? いったいそれはどんな文明のことかということだ。

 それは西側主導のルール、西側が決める世界ということに他ならない。

 そうした「独善」をソロスは「文明」と呼んでいるのだ。

 気に入らないものは西側はいつでも潰し殺し、飢えさせ、都合よく自分たちに有利なように価値観を押し付けてくる。

 そんな秩序、それをソロスは「文明」と呼んでいるのだ。

 それが欺瞞の欧州であり、西側政治の実態である。

 

 その西側のイデオロギーのひとつであった地球環境問題とやらがまさしくよい例だ。

 地球環境などという問題意識がこれほど簡単に放棄され、反ロシアが優先されて、まるで何もなかったかのようになっていること、それがその「文明」とやらの正体を自明にするというものだ。

 それは「西側が都合よく動かしてきたご都合主義的なやり方」ということに尽きる。

 イギリスの為替が操作されていた件はどうなったのか。その時も世界は黙っていた。

 西側で暗躍するヘッジファンドなどの高度なスライス注文やアルゴリズム注文、一度に大量の注文をする電子取引規制はどうなったのか。ウヤムヤのままだ。

 なぜ仮想通貨にこうまで西側は神経質だったのか。そしてコントロールできそうになると、これまで反対していたはずが西側諸国は仮想通貨導入に前のめりになったのか。それはなぜか。

 自分たちが遅れをとっていれば非難すべきことであり、自分たちがリードできるものであれば人類共通の普遍的な価値観だと喧伝する。

 

 西側には思うままに動かせないことが許せないというだけに過ぎない。

 思想的にはそれはまるで帝国主義なのだ。

 地球環境問題など美辞麗句に紛れ込ませ、やりたいことは手前味噌の利益誘導でしかなかった。その集合体が西側だ。

 

 これで今、西側が盛んにロシアを煽っている核攻撃が勃発すれば地球環境問題など見事に消し飛ぶ。

 それでも連中は後悔することもないだろう。核廃絶などただの方便に過ぎなかったのだから。

 持たない者には廃絶を訴え、自分たちは依然として持ち続ける。

 だからグレタはもう用済みなのだ。地球環境問題はウクライナ紛争に取って代わられた。

 グレタはまるでゴミのように捨てられたのだ。

  もはや彼女が出てくることはないだろう。

 惨めなグレタ。哀れだ。